「Instagramで発信しているなら、ホームページっていらないんじゃない?」
ホームページ制作の仕事をしていると、このような質問をいただくことがあります。
InstagramをはじめとしたSNSは、基本的に無料で始められます。写真や動画を投稿でき、フォロワーとコミュニケーションを取ることもできます。実際に、SNSだけでお客様を集めたり、問い合わせや予約につなげたりしている事業者もいます。
そう考えると、「わざわざお金をかけてホームページを作る必要があるの?」と疑問に思うのは自然なことだと思います。
私はホームページの制作・運用を仕事にしていますが、すべての事業者が必ずホームページを持つべきだとは考えていません。
大切なのは「ホームページがあるか、ないか」ではなく、自分の事業で何を実現したいのか、そのためにSNSとホームページのどちらが必要なのかを考えることです。
この記事では、SNSとホームページの役割の違いを整理したうえで、SNSだけでも十分なケース、ホームページを持つ価値が大きいケースを、実際に相談を受けた経験も交えながら紹介します。
「自分の事業にはホームページが必要なのだろうか?」と迷っている方が、この記事を読んだあとに自分で判断できることを目指します。
結論|ホームページはすべての事業者に必須ではありません
最初に結論からお伝えすると、私はホームページがすべての事業者に必須だとは考えていません。
InstagramなどのSNSだけで十分に情報を届けられ、問い合わせや予約につながっているのであれば、少なくとも今すぐホームページを作らなければならないとは言えないでしょう。
特に、開業したばかりで使える予算が限られている場合には、ホームページより先に商品やサービスそのものを充実させたり、すでに成果が出ているSNSに力を入れたりする方がよい場合もあります。
一方で、SNSで成果が出ていることと、ホームページを持つ意味がないことは同じではありません。
SNSとホームページには、それぞれ得意なことがあります。
たとえば、SNSは日々の情報を発信したり、新しい人に知ってもらったり、お客様との距離を縮めたりすることが得意です。
一方、ホームページは事業内容や料金、実績、運営者情報などを整理して伝えたり、検索から情報を探している人に見つけてもらったり、SNSなどで知った事業者について詳しく確認してもらったりする場所として利用できます。
そのため、「SNSかホームページか」という二者択一で考えるよりも、自分の事業に必要な役割は何かという視点から考えることが大切です。
| 比較 | SNS | ホームページ |
| 始めやすさ | 無料で始めやすい | 制作・維持に費用がかかる |
| 情報発信 | 日々の情報発信が得意 | 重要な情報を整理して掲載しやすい |
| 新しい人との接点 | 拡散・おすすめなどから知ってもらえる | 検索などから見つけてもらえる |
| 情報の探しやすさ | 過去の投稿が埋もれやすい | サービス・料金・実績などを整理できる |
| コミュニケーション | コメント・DMなどが得意 | お問い合わせフォームなどが中心 |
| 信頼確認 | 日々の活動や人柄を伝えやすい | 事業情報をまとめて確認してもらいやすい |
| 管理 | SNS運営会社のサービスを利用 | 独自ドメインなら自社の情報拠点として運用できる |
SNSが得意なのは「知ってもらう・日常を伝える・つながる」こと
InstagramをはじめとしたSNSには、ホームページにはない強みがあります。
特に大きいのは、日々の情報を気軽に発信しながら、まだ自分のことを知らない人と接点を作れることです。
たとえばInstagramなら、写真や動画を使って商品やサービスの雰囲気を伝えたり、実際の仕事の様子を紹介したりできます。投稿だけでなく、ストーリーズやリールなどを使って継続的に情報を届けることもできます。
また、コメントやDMなどを通じてお客様と直接コミュニケーションを取れることもSNSの大きな特徴です。
飲食店、美容、教室、観光、体験型サービスなど、写真や動画で魅力を伝えやすい事業では、SNSとの相性が特に良いでしょう。
さらに、アカウントを作るだけなら基本的に無料です。事業を始めたばかりで広告やホームページに大きな予算をかけられない場合でも、情報発信を始められます。
実際に、SNSを上手に活用し、ホームページを持たなくても成果を出している事業者はいます。
だからこそ私は、「事業を始めたら、まずホームページを作らなければならない」と一律に考える必要はないと思っています。
Instagramを活用したいけれど「何を投稿すればいいのか分からない」という方は、**「Instagramは何を投稿すればいい?小さな会社・個人事業主の投稿ネタの考え方」**も参考にしてみてください。
SNSが向いていること
- 写真や動画で商品・サービスの魅力を伝える
- 日々の活動や最新情報を発信する
- 新しい人に事業を知ってもらう
- フォロワーと継続的につながる
- コメントやDMでコミュニケーションを取る
- あまり費用をかけずに情報発信を始める
ホームページが得意なのは「情報を整理して伝え、判断材料を提供する」こと
一方、ホームページにはSNSとは違った強みがあります。
私が特に重要だと考えているのは、自分の事業について必要な情報を整理し、相手が知りたいときに確認できる状態を作れることです。
SNSでは日々新しい投稿が追加されていくため、過去の情報はどうしても埋もれていきます。
「どんなサービスを提供しているのか」「料金はいくらなのか」「誰が運営しているのか」「どんな実績があるのか」といった情報を知りたい人が、過去の投稿を何十件もさかのぼって探さなければならない状態は、利用者にとって便利とは言えません。
ホームページなら、サービス、料金、実績、運営者情報、よくある質問、お問い合わせなどを、それぞれ分かりやすく整理して掲載できます。
これはホームページから直接問い合わせを獲得するときだけに役立つものではありません。
たとえばInstagramで初めて事業者を知った人が、「どんな会社なんだろう?」と思ってホームページを見ることもあります。知人から紹介された事業者について、名前を検索して確認する人もいるでしょう。
つまりホームページは、**「最初に知ってもらう場所」だけではなく、「知ってもらったあとに詳しく確認してもらう場所」**としても使えます。
ホームページが向いていること
- サービス内容を体系的に説明する
- 料金・実績・会社情報などを整理して掲載する
- Googleなどの検索から情報を探している人との接点を作る
- SNSや紹介で知った人に詳しい情報を確認してもらう
- 問い合わせや申し込みへの導線を作る
- 独自ドメイン上に自社の情報を蓄積する
ただし、ホームページは作って公開すれば自動的に見てもらえるものではありません。公開後の情報発信や改善も重要です。ホームページ公開後に何をすればよいのかについては、**「ホームページを作っただけでは集客できない?原因と公開後にやるべき5つのこと」**で詳しく紹介しています。
SNSだけでも問題ないのはこんな事業者
ここまでSNSとホームページの違いを紹介してきましたが、現在SNSだけで事業がうまく回っているのであれば、必ずしも急いでホームページを作る必要はないと私は考えています。
たとえば、Instagramから継続的に問い合わせや予約があり、それだけで必要な集客ができている場合です。
また、サービス内容が比較的シンプルで、SNSのプロフィールや投稿を見れば必要な情報が十分に伝わる事業もあります。
ホームページには制作費だけでなく、サーバーやドメイン、更新・管理などの費用や手間もかかります。限られた予算や時間を使う以上、「とりあえず持っておこう」という理由だけで作るのが最適とは限りません。
大切なのは、ホームページを持っているかどうかではなく、現在の集客や情報発信の方法で、事業に必要な役割を果たせているかです。
SNSだけでも十分な可能性があるケース
- SNSから安定して問い合わせや予約を獲得できている
- 必要な情報をSNSだけでも十分に伝えられている
- 新しい集客経路を増やす必要性を感じていない
- 紹介やリピーターなど、SNS以外にも安定した顧客獲得経路がある
- ホームページにかける費用や時間を、ほかの施策に使う方が事業にとって有効
実際にホームページを作らなかった方もいます
以前、Instagramを中心に情報発信をしている個人事業主の方から、「ホームページって作った方がいいと思う?」と相談されたことがあります。
その方は物を販売するのではなく、環境や体験そのものに価値を感じてもらうサービスを提供していました。
すでにInstagramでの発信はある程度軌道に乗っており、SNSを通じて実際に成果も出ている状態でした。
私からは、SNSとホームページでは役割が違うことや、ホームページを持つことでできることについてお話ししました。
そのうえで、その方が判断材料として特に重視したのが運用コストでした。
InstagramなどのSNSは、アカウントを作成して情報発信を始めるだけなら基本的に無料で利用できます。一方、ホームページを持つ場合には、制作方法にもよりますが、サーバーやドメイン、保守・更新などに費用が発生します。
最終的にその方はホームページを作らず、Instagramでの発信を続けることを選びました。そして現在もInstagramを活用しながら成果を出しています。
私自身ホームページの制作・運用を仕事にしていますが、この事例からも、「事業をしているならホームページは絶対に必要」とは考えていません。
必要なのはホームページそのものではなく、自分の事業の目的を達成するための手段です。現在のSNS運用だけでその目的を達成できているのであれば、「今はホームページを作らない」という判断も一つの選択肢だと思います。
SNSで成果が出ていることと、ホームページに価値がないことは別の話
では、SNSだけで成果が出ているなら、ホームページにはまったく価値がないのでしょうか。
ここは分けて考える必要があります。
「今の集客方法で成果が出ていること」と「ホームページを持つことで得られるものがないこと」は同じではありません。
たとえばInstagramだけで十分にお客様を獲得できていたとしても、次のようなことを考える余地があります。
- Instagramを利用していない人にも事業を知ってもらいたいか
- 事業者名やサービス名を検索した人に、詳しい情報を提供したいか
- 紹介された人が「どんな事業者なのだろう?」と調べたときの情報が必要か
- サービス内容や料金、実績などを一か所に整理したいか
- 今とは違う経路からも問い合わせを獲得したいか
これらに必要性を感じるようになったときが、ホームページを検討する一つのタイミングです。
つまり、ホームページが必要かどうかは「SNSで集客できているか」だけでは決まりません。今の事業に足りない役割があるのか。その役割をホームページで補えるのか。そこから考える方が、自分の事業に合った判断がしやすくなります。
ホームページを持つ大きな意味の一つは「信頼の判断材料」を作ること
私がホームページを持つ意味として特に大きいと考えているのが、事業者としての信頼を判断してもらうための情報を提供できることです。
ただし、「ホームページがある会社だから信頼できる」という単純な話ではありません。
今ではホームページ自体は比較的簡単に作れます。ホームページが存在するだけで、その事業者が信頼できると判断することはできないでしょう。
大切なのは、そのホームページに何が書かれているかです。
たとえば、初めて知った事業者に仕事を依頼しようとするとき、次のようなことが気にならないでしょうか。
- どんな人や会社が運営しているのか
- どんな商品・サービスを提供しているのか
- 料金はどのくらいなのか
- これまでどんな仕事をしてきたのか
- どのような考えで仕事をしているのか
- どこで事業をしているのか
- 問い合わせた後はどのような流れになるのか
ホームページでは、こうした情報を一か所に整理して公開できます。
つまりホームページは、「私たちは信頼できる会社です」と自分で宣言するためのものではなく、相手がその事業者を信頼できるかどうかを判断するための材料を提供する場所だと私は考えています。
ホームページは事業に対する姿勢を伝える場所でもある
もう一つ、これは私自身がホームページ制作・運用に携わる中で感じていることですが、ホームページにはその事業者が自分の仕事とどう向き合っているのかも表れると思っています。
事業は一度内容を決めたら、その後ずっと変わらないものではありません。
新しいサービスを始めたり、料金が変わったり、実績が増えたり、お客様からよく聞かれる質問が変わったりすることもあります。
そうした変化に合わせてホームページの情報も更新していけば、「今、この事業者が何をしているのか」を正確に伝えることができます。
私は、ホームページを持ち、そこに自分の事業について必要な情報をきちんと公開していくことは、「自分の仕事に責任を持って事業を続けています」という姿勢を伝える一つの方法にもなると考えています。
もちろん、ホームページを持っていないから事業に真剣ではない、という意味ではありません。
SNSを丁寧に運用することでも、その姿勢は十分に伝えられます。
大切なのは、どの媒体を使うにしても、今の事業の姿を相手に誤解なく伝え続けることだと思います。
SNSとホームページは「どちらか」ではなく役割を分けて使える
SNSとホームページの両方を使う場合も、それぞれで同じ情報を発信する必要はありません。
むしろ、それぞれの得意なことを生かして役割を分ける方が分かりやすいでしょう。
たとえばInstagramであれば、日々の仕事の様子、写真や動画、お客様に伝えたい最新情報などを継続的に発信します。
その投稿を見て興味を持った人がプロフィールを確認し、「もう少し詳しく知りたい」と思ったときにホームページへ移動します。
ホームページでは、サービス内容、料金、実績、運営者情報、よくある質問などを整理しておき、最終的に問い合わせや申し込みにつなげます。
SNSで知ってもらう
↓
興味を持ってもらう
↓
ホームページで詳しい情報を確認してもらう
↓
問い合わせ・予約・申し込み
もちろん、すべての人がこの順番で行動するわけではありません。Google検索やGoogleマップ、広告、知人からの紹介などで事業者を知り、ホームページを確認したあとにSNSを見る人もいます。ホームページとSNSのどちらか一方だけですべてを完結させようとするのではなく、それぞれを別の入口や役割として考える。
これが、私が考えるSNSとホームページの使い分けです。
Instagramを活用したいけれど、「何を投稿すればいいのか分からない」「忙しくて継続的に更新できない」という方に向けて、あそまなではInstagram運用代行も行っています。投稿企画・文章作成・画像制作・投稿・月次分析まで、月額9,800円(税込)でサポートしています。
Instagram運用代行を検討していて「実際にどのくらい費用がかかるの?」という方は、**「Instagram運用代行の費用相場はいくら?個人事業主・小規模事業者向けに料金の違いを解説」**も参考にしてください。
AI検索が広がる中でも、自社の情報をWeb上に公開する意味はある
これからホームページの必要性を考えるうえでは、Googleなどの検索エンジンだけでなく、ChatGPTをはじめとしたAIを使った情報収集についても考えておく必要があります。
ChatGPTにはWebを検索し、Web上の情報源を示しながら質問に回答する機能があります。
OpenAIは、公開されているWebサイトはChatGPTの検索結果に表示される可能性があると説明しています。ただし、ホームページを作れば必ずChatGPTに紹介されるわけではなく、検索結果への掲載や順位が保証されているわけでもありません。
GoogleでもAIを活用した検索機能が提供されるなど、検索による情報収集の方法にも新しい選択肢が増えています。
だからこそ私は、自分の事業について正確に説明した情報をWeb上に持っておくことの意味は、今後も大きいと考えています。
どんなサービスを提供しているのか、誰が運営しているのか、どんな実績があるのか、どの地域で活動しているのか。
こうした情報をホームページ上に整理して公開しておくことは、人が事業者について調べるためだけではなく、Web上の情報を利用する検索サービスに自社を理解してもらうための情報源にもなり得ます。
ただし、AI検索のためだけにホームページを作る必要がある、という意味ではありません。
まず人にとって分かりやすく、正確で役に立つ情報を公開する。その情報が従来の検索やAIを使った検索でも見つけてもらえる可能性につながっていく。
私はその順番が大切だと考えています。
ホームページを作るか迷ったら「何のために必要なのか」から考えよう
SNSがあればホームページはいらないのか。
この記事で紹介してきたように、この質問にすべての事業者に共通する答えはないと私は考えています。
InstagramなどのSNSだけで必要な情報を届けられ、十分な成果が出ているのであれば、今すぐホームページを作らないという判断もあります。
一方で、
- サービス内容や料金を分かりやすく整理したい
- SNS以外からも自分の事業を見つけてもらいたい
- 紹介やSNSで知った人が詳しく確認できる場所を作りたい
- 実績や事業への考え方をきちんと伝えたい
- 問い合わせまでの流れを分かりやすくしたい
- 自分の事業について正確な情報をWeb上に蓄積していきたい
と考えるのであれば、ホームページを持つ価値は大きくなります。
大切なのは、「みんな持っているから」「事業をしているなら必要だから」という理由だけでホームページを作ることではありません。
自分の事業には今、何が足りないのか。その課題を解決するためにホームページが必要なのか。
そこから考えてみてください。
ホームページが必要だと判断した場合も、作ること自体を目的にしないことが重要です。
事業は少しずつ変化していきます。それに合わせて情報を更新し、必要に応じて改善しながら、ホームページも事業と一緒に育てていく。
私はホームページをそのような存在として考えています。
自分の事業にホームページが必要か迷っている方へ
「自分の場合はホームページを作った方がいいのだろうか?」
「SNSだけでも十分なのか、それともホームページもあった方がいいのか分からない」
そんな段階でも大丈夫です。
あそまなでは、最初からホームページを作ることを前提にするのではなく、現在の事業や情報発信の状況、これから実現したいことを整理したうえで、ホームページでできることを一緒に考えています。
ホームページが必要だと判断した場合には、制作して終わりではなく、公開後の更新やアクセス解析、SEOなども含めて継続的に運用していくホームページ制作・運用サービスを提供しています。
この記事を書いた人

あそまな代表 関 広太
ホームページは「作って終わり」ではなく、事業と一緒に育てていくものという考えのもと、制作後のアクセス分析や記事作成、ページ追加・改善まで継続して対応しています。






この記事へのコメントはありません。